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💬インタビューレポート

外部専門員

専門家

小中学校・特別支援学校に外部専門機関として関わり、障害のある児童生徒の学習環境(デジタル教科書、端末設定、支援技術)を現場視点で見てきた立場。

回答日2026.4.8 16:56
インタビュー分量17 分 / 914 文字

💬主な意見

デジタル教科書は学びのアクセシビリティを上げる

肢体不自由の操作負担軽減、弱視の表示調整、LDの読み上げ等で読みの負荷を下げられ、障害のある児童生徒には重要。

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アクセシビリティが努力義務だと格差が出る

自治体の採択や発行元によってアクセシビリティが不完全・ばらつくと、必要な配慮が教科書の当たり外れになりうる。

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教科書とATは両輪。人材と検定で担保が必要

端末の機能設定やAT適用ができる人材が不足すると、対応デバイス等があっても学校で使えない。検定で要件確認も必要。

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本日は、「学校においてデジタルを含む教科書を使えるようにする法律案」について、感じていることや経験をうかがいます。差し支えない範囲で率直に教えてください。 この「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認める」法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?

教育関係の仕事/経験がある

教育関係のご経験があるのですね。ありがとうございます。 そのご経験の中で、デジタル教科書(学習者用デジタル教科書を含む)について、どの程度ご存知ですか?

小中学校や特別支援学校に外部専門機関として関わった経験から,

小中学校や特別支援学校に外部専門機関として関わってこられたのですね。現場の実情を見てこられた立場だと、今回の法案も捉え方が具体的になりそうです。 紙とデジタルを比べたとき、学びやすさはどう変わると思いますか?

デジタル教科書によって,教科書へのアクセス方法に多様性が生まれます つまり,肢体不自由があっても教科書の取り出しやページめくりがスムーズになったり,弱視であっても自分の視力・視野に合わせてフォントサイズやコントラストを調整できたり,LDがあっても音声読み上げや配色の調整によって読みの負荷を軽減することができました 障害のある児童・生徒にとってはデジタル教科書は教育へのアクセシビリティ確保の観点からとても重要な要素です

お話をうかがうと、デジタル教科書が「学びの便利さ」というより、障害のある子どもにとっての教育アクセス(アクセシビリティ)を底上げする役割を強く担っているのですね。肢体不自由・弱視・LDそれぞれで、操作や見え方・読みの負荷が具体的に変わるという点がとても伝わってきました。 そのうえで伺います。デジタル教科書を使うことについて、いちばん気になる懸念や課題は何ですか?

令和7年9月に出された「デジタル教科書推進ワーキンググループ審議まとめ」をみると, デジタル教科書のアクセシビリティについても言及されていますが,教科書会社の努力義務にとどまっている点が気になっています

審議まとめでアクセシビリティが「努力義務」にとどまっている点に引っかかっているのですね。外部専門機関として現場を見てきた立場だと、そこが実効性に直結する懸念になりやすいと思います。 その「努力義務だと不十分」と感じられるのは、どんな場面を想定しているからでしょうか?

対象となる生徒の自治体が採用しているデジタル教科書のアクセシビリティが不完全であったり, 採用する教科書の発行元によって,アクセシビリティにばらつきが生じる可能性です 一定の基準があるべきではないでしょうか?

自治体が採択したデジタル教科書のアクセシビリティが十分でなかったり、発行元によってばらつきが出たりする可能性を想定されているのですね。必要な配慮が「教科書の当たり外れ」になってしまう、という懸念はとても現実的だと思います。 では、その「一定の基準」に入れるべきだと感じるアクセシビリティ要件として、どんな項目がまず必要でしょうか?

WCAG2.0やJIS X8341-3などデジタルコンテンツのアクセシビリティに関する様々な基準があります こうしたものを考慮するのはどうでしょうか?

WCAG2.0やJIS X 8341-3のような既存の基準を参照する、という方向性なのですね。教科書会社ごとの“ばらつき”を減らすという意味でも筋が良さそうだと感じました。 学校現場でデジタル教科書を正式に扱うようになったとき、運用面でハードルになりそうなのは何だと思いますか?

教科書というコンテンツ側の配慮が進んでも,末端,つまり実際に子どもたちが使う際には,端末のアクセシビリティ機能や適切な支援技術(アシスティブテクノロジー)の適用が欠かせません そういったことを学校現場で行える人材がかけていると考えています

おっしゃる通り、コンテンツ(教科書)側のアクセシビリティが整っても、端末側の設定や支援技術(AT)の適用ができないと、実際の学習の場面では機能しない、ということですね。そこを担える人材が学校に不足しているという課題感、とても重要だと思います。 では、その「学校現場で行える人材」が不足していることで、いちばん起きやすい問題は何だと感じますか?

教科書側が肢体不自由がある子ども向けに特別な入力デバイスに対応していても,そのことを知らない,あるいはその入力デバイスについて教員が取り扱えない,といった問題が考えられます. これは他の障害種,視覚障害やLDでも同様です

入力デバイス対応など「できるはずの配慮」が、学校側が知らない・扱えないことで実際には使えないままになってしまう、ということですね。肢体不自由に限らず、視覚障害やLDでも同じ構図が起きうるという指摘は重いと思います。 最後に伺います。デジタル教科書に関して、制度設計をする人に何か一つ伝えることがあるとしたらそれは何ですか?

コンテンツ(この場合は教科書)のアクセシビリティとユーザ(この場合は児童・生徒)側のアシスティブテクノロジは車の両輪で,どちらか一方でも欠けてしまうと十分に効果を発揮できません その点も制度設計に組み込む(ATに関する人材の育成と配置,教科書検定におけるアクセシビリティ要件の確認など)が必要だと考えます

非常に分かりやすいです。教科書(コンテンツ)側のアクセシビリティだけ整えても、現場でATを適用できる人材・体制がなければ「使える状態」にならず、政策目的(学びの保障)が達成されにくい、という整理ですね。加えて、教科書検定の段階でアクセシビリティ要件を確認する必要性も示していただきました。 ここまでのお話を踏まえて、これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。

お時間をいただき、ありがとうございました。ここまでの内容をレポート案としてまとめました。ご確認ください。