💬インタビューレポート
教員の親族
親族に高校の教諭・事務職員がいて、学校現場の実情を身内から聞く立場として法案に関心がある。
💬主な意見
紙を基本に、AIは深掘り支援と安全配慮
“デジタルは紙の授業のサポートとして、トラブル時は紙へ切替が必要。AIは問いで思考を深掘りしつつ答えを出しすぎない。危険物等は回答拒否を明示。
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こんにちは。今日は「学校においてデジタルを含む教科書を使えるようにする法律案」について、感じていることや影響を丁寧に伺えればと思います。 この「デジタルを含む教科書を正式な教科書として認める」法案は、あなたの生活や立場とどのように関わっていますか?
その他
ありがとうございます。「その他」とのことですが、この法案はあなたにとってはどんな場面で関係が出てきそうですか?
親族が高校の教諭や事務員をしています。身内の職場に関わることとして関心があります。
身内の方が学校現場にいらっしゃると、身近な話として気になりますよね。 その親族の方は、この「デジタルを含む教科書」をめぐって、現場でどんな話題や困りごとを口にされることが多いですか?
生徒というより、環境を整備する学校側に問題がある、と話しています。
学校側の整備のところに課題がある、という見立てなんですね。 その「環境を整備する学校側の問題」というのは、具体的にはどんな種類の問題として話されていますか?
親族が教員を務める高校では、教師の平均年齢が高く、コンピュータ全般に苦手意識があります。そのため、パソコンを使った授業に及び腰で、積極的にかかわりたくないという意識が強いそうです。比較的年齢が若い、2~3人程度の先生に業務が押し付けられている、という部分があるそうです。
現場の空気感まで含めて教えてくださりありがとうございます。苦手意識がある先生が多いと、負担が一部の先生に偏ってしまうのはしんどい状況ですね。 その高校で「若い2〜3人の先生に押し付けられている」とき、具体的にはどんな業務がその先生方に集中していると聞いていますか?
パソコンそのものの設置や生徒への指導です。
設置作業から生徒への使い方指導まで担っているとなると、授業準備とは別の負担も大きくなりそうですね。 その「生徒への指導」は、どんな内容(例:ログイン方法、操作方法、トラブル時対応など)が中心になっていると聞いていますか?
詳しくは聞いていませんが、親族の話しぶりだと、それら「全部」です。
なるほど、「全部」となると相当広い範囲を抱えていそうですね。 その状況を踏まえると、この法案でデジタルを含む教科書が“正式な教科書”として扱われるようになった場合、学校側の負担は増えると思いますか、それとも整備が進んでむしろ改善すると感じますか?
軌道に乗って授業が円滑に進むまでが長くなると思います。
軌道に乗るまでの移行期が長くなる、という見立てなんですね。現場の負担感を想像すると不安になります。 その「軌道に乗るまでが長い」と感じるのは、学校側で特にどの部分に時間がかかりそうですか?
まず、“デジタル”というものに不慣れな先生が、生徒に指導できるところまで理解を深めるのに時間がかかると思います。年齢の高い先生だけではなく、若い先生でも「スマホには慣れているがパソコンはわからない。ほとんどさわったことがない」という人もいるかと思います。
先生側が「教える側として使いこなせる」状態になるまでに時間がかかる、という点がボトルネックなんですね。スマホとPCのスキル差という話も、とても現実的だと感じます。 この法案が進む前提で伺いたいのですが、先生の不慣れさを埋める手段としては、校内での研修を厚くするのが良いと思いますか、それとも外部の支援(ICT支援員など)を増やすのが良いと思いますか?
外部支援を増やす
外部支援を増やす、という方向性なんですね。先生方が授業に集中できるようにする意味でも納得感があります。 外部支援の人には、学校の中で主にどんな役割を担ってもらうのが効果的だと思いますか?
先生と共同で授業に参加してもらう。先生との役割分担があればよいのではないかと思います。が、やはり先生たちからの要望を聞いて、サポートするのが一番だと思います。
授業に一緒に入って役割分担しつつ、先生側の要望に合わせて柔軟に支える、というイメージなんですね。現場で「助けが欲しいところ」が日によって変わることも多そうです。 その外部支援の人が授業に入る場合、先生側が担当して外部支援の人には任せない方がいい領域は、どんなものだと思いますか?
先生の、生徒への指導内容、でしょうか。外部支援員が、生徒に先生の話と真逆のことを教えたりすることは良くないので。ただ、これも現場の先生によって考えが違うでしょうから、学校側と支援側の連携が大切と思います。なんといっても生徒の学習に関わることなので。
生徒への指導内容は先生が担い、外部支援はあくまで支える側に、という線引きなんですね。学習の中身に関わる以上、方針がズレるのは避けたいという感覚もよく分かります。 その「学校側と支援側の連携」をうまく回すために、最低限これだけは決めておいた方がいいと思うルールは何でしょうか?
「操作や設定など、使いこなす技術面を教えるのが支援員」というのが前提。
支援員は操作・設定などの技術面、という前提を明確にするのが大事なんですね。 その前提で進めるとして、授業中に端末やデジタル教科書のトラブルが起きたとき、まず最初に対応するのは「先生」と「支援員」、どちらが現実的だと思いますか?
先生がまず対応する
先生がまず対応する、という整理なんですね。 その場合、先生が“まず対応できる”ようにするために、事前に先生側に最低限そろっていると良いと思うものは何でしょうか?
基本的なトラブル解決の知識。まず先生が触ってみて、すぐに回復できなかったら支援員にサポートに入ってもらう。という形がよいかと。
先生がまず一次対応できるだけの「基本的なトラブル解決の知識」が必要、ということですね。授業が止まらないようにする現実的な設計だと思います。 その「基本的なトラブル解決の知識」として、先生が最低限できるようになっていてほしいのは、どんな内容ですか?
画面が固まってしまった、画面が暗くなった時の回復法。ささやかなことですが、実際にこの状態になると、操作している人は結構動揺します。
フリーズや画面が暗くなったときの復旧みたいな“まず落ち着いて戻す手順”が、実は一番効くということですね。たしかに授業中だと動揺しやすいと思います。 その「固まった/暗くなった」といったトラブルが起きたとき、授業が止まってしまう時間は、どのくらいまでなら現場として許容できそうだと感じますか?
5分から10分くらい。授業時間は決まっているので、あまり長々と時間をかけられるものではないのかなと思います。
5〜10分が許容の目安、という感覚なんですね。授業のリズムを考えると現実的なラインに聞こえます。 その「5〜10分」を超えそうなとき、授業を成立させるために学校側で用意しておくと良い“代替手段”(紙に切り替える等)は必要だと思いますか?
必要です。むしろ、従来の教科書やノートを使った授業のサポートとしてのデジタルと思っています。
紙を基本にして、デジタルはあくまでサポートとして位置づけたい、という考え方なんですね。トラブル時の逃げ道にもなりますし、現場の感覚としてとても筋が通っていると思います。 紙を基本にする前提で、この法案で「デジタルを含む教科書」も正式な教科書として進めるとしたら、デジタルは授業のどんな場面で使うのが合っていると感じますか?
このような、考えを深堀していく授業。たとえば、読書感想文を苦手としている人は多いと思いますが、読んだ本について、こんなふうにAIが、どんどん質問していけば、自分は本の中の何が心に残り、なにに胸を打たれたのかを知れる。本と自分を、AIを通じてよりよく理解できると思います。
考えを深掘りする場面で、AIが問いかけを重ねて思考を整理する——その使い方は確かに相性が良さそうですね。 いまのお話のような形でAIを授業に入れるとしたら、生徒にとってどんな点がいちばん助けになると思いますか?
考える力がつくと思います。問いかけに対して真剣に自分の考え、まとめる。もちろん、簡単な言葉だけで済まそうとする生徒もいるかもしれませんが、AIの問いかけひとつが、生徒が新しい視点を持つきっかけになるかもしれません。
新しい視点のきっかけになって「考える力」につながる、という期待が大きいんですね。 一方で、AIの問いかけを授業で使うときに、生徒の学びのために「これは避けたい」と感じる使い方はありますか?
生徒の考えを先回りしてしまうこと。AIは優秀であるがゆえに、生徒が入力した「おもしろかった」「つまらない」「わからない」といった言葉にも、寄り添った優しい答えを出してしまうかもしれない。AIも、生徒に寄り添いすぎない、一線を引くべきです。
生徒の思考を先回りしない距離感が大事、ということですね。寄り添いすぎることで、考える前に“それっぽい答え”に着地してしまう懸念はよく分かります。 その「AIが一線を引く」としたら、具体的にはどんな振る舞いをしないことが望ましいと思いますか?
「ヒントやきっかけを与えても答えは出さない」でしょうか。これはAIだけでなく、人間であっても難しいでしょうが。でも、人間とちがってAIは、相手に根気強く付き合ってくれるという利点があるので、期待したいところです。
「ヒントは出すけれど答えは出さない」という線引きが理想、ということですね。AIの“根気強さ”を学びに活かしたいという期待も伝わってきました。 その線引きを実現するために、学校や自治体がAIの使い方のルールを作るとしたら、授業でAIに「やってよいこと/やってはいけないこと」はどんな形で決めるのが良いと思いますか?
犯罪を助長するような問いかけには答えない。ただ、無限にもある言葉の中からNGワードを抽出してブロックするのは、ほぼ不可能でしょうから、教育やAIk専門家も交えて
犯罪を助長する問いかけには答えない、という最低限の線引きは必要だということですね。一方でNGワード方式には限界がある、という見立てもよく分かります。 そのルール作りに教育やAIの専門家も交えて進めるとして、最初に優先して決めておくべきなのは「どんな種類の問いかけを禁止するか」ですか、それとも「誰が最終判断するか(教員・学校・委員会など)」ですか?
禁止する問いかけの種類
禁止する問いかけの種類をまず固める、という優先順位なんですね。 その「禁止する問いかけの種類」として、どんな領域を含めるのが必要だと思いますか?
薬物や銃などの危険物。もしかすると、専門家だけでなく警察の意見も取り入れたほうがいいのかもしれません。
薬物や銃などの危険物は明確に線引きが必要、ということですね。警察の知見も入れるべきかもしれない、という視点も現実的だと思います。 その「危険物」に関する問いかけを禁止するルールを作るとき、授業で生徒がうっかり関連ワードを入れてしまった場合は、AIはどんな反応をするのが望ましいと思いますか?
答えられない言葉があります、とまず伝える。
「答えられない言葉があります」とまず伝える形が望ましい、ということですね。 その上で、AIがそこで終わらずに授業として前に進めるために、次にどう案内するのが良いと思いますか?
インタビューを終了する
承知しました。ここまで丁寧にお話しいただき、ありがとうございました。 これまでの内容をまとめ、レポートを作成します。
お話を丁寧に共有していただき、ありがとうございました。以下、内容の要約レポート案です。ご確認ください。