なにが変わるか
- 国の専門機関が、原油などを運ぶ事業に出資や借金の保証をします。対象は、海外のパイプラインや鉄道、船による輸送で、船については日本の近くの海での輸送も含みます。有事に日本の会社が代わりの輸送経路を使えるように支援します。
- 植物などからつくるバイオ燃料を、海外で製造する事業にも出資や借金の保証をします。対象になる燃料の種類は、今後国が政令で決めます。
- 使い終わった電池などから金属を取り出す事業に、出資や借金の保証をします。海外と国内の両方の事業が対象です。重要な鉱物を、特定の国に依存せずに確保するためです。
- 二酸化炭素を回収し、運んで地中に埋める事業に助成金を出します。二酸化炭素を出すより、回収して地中に埋めるほうが高くつくので、その差額をもとに助成金の額を決めます。
なぜ必要か
- 日本は、原油の94%を中東から輸入しています。中東情勢の悪化で、2026年はタンカーがホルムズ海峡を通れなくなりました。政府は、平時から輸送路を増やす必要があるとしています。
- バイオ燃料の原料は、温室効果ガスの規制が強まったことで、世界で奪い合いになっています。重要な鉱物は、掘り出すのも金属に加工するのも特定の国に頼っています。
- 二酸化炭素を地中に埋める事業は、世界でもまだ採算の見通しが立てにくい状況です。欧米では、地中に埋める費用と、二酸化炭素を出した場合にかかる費用の差を補う支援が、すでに行われています。
意見が分かれるところ
- 国の資金で日本企業を支えれば、資源の確保につながるという意見があります。一方、過去の石油などの探鉱への出資では、2016年度末までに損失が1595億円余りにのぼりました。また会計検査院は、出資前のお金が使われずに残っている問題について、必要な時期や額の見通しをより適切に立てるよう指摘しています。
- 二酸化炭素を地中に埋める事業は、国が費用を支えないと進まないという意見があります。一方、支援にかかるお金は15年間で6兆円以上になるという試算もあります。
- 二酸化炭素を埋める事業は、石炭や石油を使い続けながら排出を抑える手段とされます。一方、回収などに燃料の2〜3割を使い、エネルギーの安定確保に逆行するという見方もあります。
よくある質問
Q. 二酸化炭素を地中に埋める事業への助成金は、誰が決めるのですか?
A. 国の専門機関が、経済産業大臣の定めた基準に沿って相手と金額を決めます。出すかどうかには大臣の認可が必要で、大臣は財務大臣とも話し合います。
Q. パイプラインを支援すると、何が変わるのですか?
A. 日本の会社が、有事にも海峡を通らないパイプラインなどを優先して使える権利を取りやすくなります。ホルムズ海峡を通れなくなっても、パイプラインで海峡の外の港まで原油を運べます。2026年にもこの経路が働き、原油の輸出が続きました。
Q. 新しい仕組みはいつから始まりますか?
A. 一部を除き、法律が公布されてから3か月以内で、政令で決める日に始まります。助成金の詳しい基準は、今後経済産業大臣が決めて公表します。
基本情報
- 提出日:2026年10月13日
- 提出者:内閣
- 審議状況:衆議院審議中
- 出典: