🎯この法律のポイント
特に大事な基地のまわりなどを「規制区域」にします
今も、自衛隊の基地などのまわり約1kmや国境の島は、国が土地の使われ方を調べる区域に指定されています。
この法律で、その中でも特に守る必要が高い場所を、新しく「規制区域」にできるようにします。
「規制区域」の対象は、戦闘機やレーダーがあり、見つけにくいドローン攻撃などで壊されると元に戻しにくい基地などのまわりです。
人が住んでいない国境の島も対象になります。
規制区域の土地を手に入れるには国の許可がいります
規制区域の土地や建物を売ったり譲ったりするときは、渡す前に国の許可を受ける必要があります。
日本人か外国人かは関係ありません。
広さの決まりもなく、小さな土地でも許可がいります。
許可を受けずに売り買いしても、土地や建物は相手のものにならず、登記もできません。
許可なく取引した人は、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金の対象になります。
外国の政府や軍の関係者には原則として許可しません
外国の政府や政党、政府のトップなど大きな力を持つ人、外国の軍で活動している人には、原則として許可しません。
外国の法律などで、その国の軍や情報集めに協力する義務を負う人も同じです。
こうした人が議決権や役員の半分以上を占める会社も、許可を受けられません。
それ以外の人でも、基地を壊すことなどに使うおそれがあると考える十分な理由があれば、国は専門家の会議の意見を聞いたうえで許可しません。
買った後に条件に当たったら、1年以内に手放すよう命令します
会社が合併などで規制区域の土地を手に入れたときは、30日以内に国に届け出なければなりません。
株主や役員が入れ替わって、許可しない条件に当たったときも同じです。
国は、許可しない条件に当たると認めた場合に、1年以内に土地を手放すよう命令できます。
手放さなければ、国が裁判所に競売を申し立てられます。
貸し借りの届出や、職員と警察の立入調査が始まります
規制区域の土地や建物を貸し借りしたときは、15日以内に国に届け出ます。
基地を壊すことなどに使われる明らかなおそれがあり急ぐときは、これまでの注意の手順を飛ばして、すぐに命令できるようにします。
内閣府の職員が、規制区域の土地に入って使われ方を調べられるようになります。
警察も、警察庁長官の承認を得て立ち入って調べられるようになります。
皇居や国会議事堂のまわりも調べる対象に加えます
皇居、国会議事堂、首相官邸、災害や緊急事態に対応する国の庁舎についても、まわりの土地の使われ方を国が調べられるようにします。
これらのまわりは規制区域にはならないので、土地や建物を手に入れるときに国の許可はいりません。
ただし、特に大事な施設としてまわりが指定されると、一定の広さ以上の土地や建物を手に入れるときに国への届出がいります。
この法律は、成立して公布されてから1年6か月以内に始まります。
✏️この法律が必要とされる理由
買った後の見張りだけでは防ぎきれないため
今の法律では、基地のまわりの土地で、基地のはたらきを邪魔する使い方があれば、国が注意したり命令したりできます。
でも、土地を手に入れること自体は止められません。
海外の紛争では、ひそかに集めたドローンで攻撃する新しい戦い方が出てきました。
こうした見つけにくい攻撃は、見つけてから止めるのでは間に合わないおそれがあります。
そこで政府は、土地を手に入れる段階から確かめる必要があるとしています。
基地などのまわりで土地の取引が続いているため
内閣府は、基地などのまわりで、だれが土地や建物を手に入れたかを毎年調べています。
2024年度は、手に入れられた土地や建物のうち3.1%が、外国人や外国系の会社によるものでした。
国の中心となる施設のまわりも守るため
皇居や国会議事堂、首相官邸などは、国を動かす中心となる場所です。
政府は、こうした施設のまわりの土地の使われ方も、国が調べられるようにする必要があるとしています。
👀意見が分かれるところ
土地を自由に売り買いする権利を制限しすぎないか
日本人も含めて、規制区域の土地の売り買いに国の許可がいるようになります。
自分の財産を自由に扱う権利を制限する面があるという指摘があります。
- 許可しない基準が公開されないと、理由がわからないまま争うことになるという意見もあります。
- 一方で、手に入れる段階で確かめるのは前進だと評価する声もあります。
外国の法律で協力義務を負う人の範囲は広すぎないか
外国の法律で、その国の軍などに協力する義務を負う人も許可されません。
- この範囲を広く考えると、ある国の人をまとめて締め出すことになるという心配があります。
- 細かい基準が政令などで決まり、国会の目が届きにくいという意見もあります。
土地の売り買いや経済への影響はないか
規制区域の土地は、売るたびに国の審査がいります。
- 取引に時間がかかったり、土地の値段に影響したりするおそれがあるという指摘があります。
今の法律で命令が出ていないのに、規制を強める必要があるか
今の法律で、国が使い方を正すよう命令したことはまだ1回もありません。
- 規制を強める理由が足りないのではという意見があります。
- 政府は、見つけにくい攻撃は後から止められないと説明しています。
- 法律が始まって5年後に見直しを考えると決めています。
よくある質問
Q. 日本人が規制区域の家を売るときも許可がいるのか
A. はい、いります。日本人か外国人かは関係ありません。
- 国や自治体に渡すときは、許可はいりません。
- 家族が相続するときや、遺産を分けるときも、許可はいりません。
Q. 自分の家が規制区域に入るかはいつわかるのか
A. どこを規制区域にするかは、まだ決まっていません。
- 法律が始まった後に、国が専門家の意見を聞いて決めます。
- 決まった区域は官報で知らされます。
🙋影響を受ける人
- 規制区域で土地や建物を売り買いする人:国籍を問わず国の許可がいります。
- 外国の政府や軍の関係者:規制区域の土地は原則として手に入れられません。
- 規制区域に土地を持つ会社:条件に当たると、土地を手放すよう命令されます。
- 規制区域の土地を貸し借りする人:15日以内に国に届け出る必要があります。
- 皇居や国会議事堂などのまわりの土地の持ち主:国が使われ方を調べる対象になりえます。
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