🎯この法律のポイント
遺族年金を受け取る条件から男女の差をなくす
仕事中の事故で夫や妻を亡くしたとき、残された家族に払われる年金が遺族年金です。今の制度では、妻は年齢に関係なく遺族年金を受け取れますが、夫は55歳以上でないと受け取れません。
この法律で夫にだけあった年齢の条件をなくし、同じルールにします。
遺族が1人のときの年金額を引き上げる
遺族が1人の場合の年金額を引き上げます。これまで年齢等の条件で支給額に違いがありましたが、全員同じ額に統一します。
長い時間がかかる病気の請求期限を2年から5年に延ばす
仕事が原因の病気を労災と認めてもらい、治療費などを受け取る仕組みが労災保険です。
アスベストによる病気のように、原因がわかるまでに何十年もかかる病気があります。こうした病気について、労災の補償を請求できる期限を2年から5年に延ばします。
農林水産業にも労災保険を広げる
小さな農林水産業の事業では、労災保険に入るかどうかが自由でした。そのため仕事中にけがをしても補償を受けられない人がいます。この法律ですべての事業に労災保険を当てはめます。
フリーランスが労災保険に入るための団体に新しいルールを作る
建設業のひとり親方やフリーランスなどは、専用の団体を通じて自分で労災保険に入ることができます。
この団体について、守るべきルールを法律で定めます。
ルールに反した団体には業務の改善を命じることができます。
労災保険の決定に納得できないときの相談先を一つにする
労災保険の決定に納得できないとき、不服を申し出る窓口が今はいくつかに分かれています。これを一つの専門窓口にまとめて、手続きを分かりやすくします。
✏️この法律が必要な理由
共働きが増えた今、男女で条件が違う理由がなくなった
遺族年金に男女差があるのは、夫婦のどちらかだけが働く家庭が多かった1970年に制度が作られたためです。今は共働き世帯が多くなり、男女で条件を分ける理由が薄れています。
農林水産業で働く人にも同じ補償が必要
農林水産業の一部では労災保険が任意のため、仕事中にけがをしても補償を受けられない人がいます。すべての働く人が同じように補償を受けられる仕組みが求められています。
病気と仕事の関係がわかるまでに時間がかかる場合がある
アスベストによる病気など、仕事が原因かどうかわかるまでに何十年もかかることがあります。今の2年の期限では、請求が間に合わない場合が起きています。
👀意見が分かれるところ
他の年金制度とのバランスは取れているのか
会社員向けの遺族厚生年金は受け取れる期間に制限を設ける方向で変わりつつあります。労災の遺族年金はずっと受け取れるままでよいのか、2つの制度の間でバランスが取れているか問われています。
農林水産業の小さな事業者にとって負担が重すぎないか
労災保険に入るための手続きや保険料の負担は、小さな事業者にとって新しい課題です。十分な準備期間と支援が必要との指摘があります。
フリーランス向けの団体へのルールが厳しくなりすぎないか
団体のルールを厳しくすることで問題のある運営は防げます。一方で、小さな団体がルールを満たせなくなり、加入しにくくなるという指摘もあります。
請求期限を延ばす対象の病気はどこまでか
期限が延びるのは、仕事が原因かどうかの判断に時間がかかる病気だけです。どの病気が対象になるかは今後決められるため、対象の範囲が適切かどうかが問われています。
年金額の引き上げによる保険料への影響はどうなるか
遺族年金の条件を広げて金額も引き上げると、支払い総額が増えます。労災保険の費用は会社が負担する保険料でまかなわれており、保険料への影響を確かめる必要があります。
よくある質問
Q. 遺族年金とはどのような制度か
A. 仕事中や通勤途中の事故で働く人が亡くなったとき、その家族に払われる年金です。配偶者や子どもなどが受け取ることができます。
Q. 労災保険とはどのような仕組みか
A. 仕事中や通勤中のけが・病気に対して、治療費や休業中の生活費などを補償する保険です。会社が保険料を負担し、働く人を守ります。
🙋影響を受ける人
- 仕事中の事故で妻を亡くした夫:年齢に関係なく遺族年金を受け取れるようになります。
- 遺族年金を受け取っている人(遺族が1人の場合):年金額が引き上げられます。
- 農業・林業・漁業で働く人:労災保険が当てはまり、仕事中のけがや病気の補償を受けられます。
- 農業・林業・漁業の個人事業主:労災保険への加入が必要になり、手続きや保険料の負担が生じます。
- フリーランス向けの労災保険の団体:法律で決められたルールを守る必要があります。
- アスベストなどによる病気の労働者や遺族:補償を請求できる期限が5年に延びます。
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