この法律のポイント
忘れもの防止タグを使った追跡を禁止する
- ストーカーが人のかばんや車などに忘れもの防止タグをこっそり入れて、勝手にどこにいるか調べる行為を禁止します。忘れもの防止タグを悪用したストーカーの件数は2021年時点の3件から2024年は370件まで増えています。
- 今回の法律改正で忘れもの防止タグを悪用したストーカー行為を取り締まれるようになります。
人の住所などを勝手に教えないようにする
- これまでは探偵などの第三者が、ストーカー目的とは知らずストーカーに被害者の住所や行き先を教えてしまうことがありました。今回の法律は、ストーカーに被害者の情報が提供されそうなときに、警察がその情報を渡さないようにお願いできるしくみを作ります。
- 具体的には、警察がストーカー被害者の自宅近辺をパトロールする中で被害者を調べている探偵を見つけた際、これまでは個人情報保護の観点から依頼主がストーカー加害者であることを伝えることが難しいこともありましたが、この法律改正によって伝えることができるようになります。こうすることで探偵業者は依頼主からの依頼を断れるようになります。
警察がすぐに動けるようにする
- 今までは被害にあった人が警察にはっきりとお願いしないと警察はストーカーしている人にストーカー規制法に基づく警告ができませんでしたが、これからは警察が自分の判断で警告ができるようになります。
会社や学校も被害者を守るために努力する
- これまでの法律では、ストーカー被害がおきている地域の住民はストーカーの被害者を助けるよう努力することが求められていました。これからはそれに加えて、ストーカーの被害者を雇っている人や、その人が通う学校の校長先生も被害者を守るための努力をする義務が生まれます。
- 例えば職場や学校で不審な人物を見かけた際にはためらわず警察に通報することなどが期待されます。
改正前の法律はどんな内容?
ストーカー規制法は2000年にできた法律で、つきまとい、しつこい電話やメッセージ、見はりなどをくり返す行為をストーカーとして取り締まるものです。
なぜこの法改正が必要なのか
元の法律では忘れもの防止タグの悪用に対応できない
- 元の法律でもスマートフォンなどのGPSを悪用したストーカー行為は禁止されていますが、忘れもの防止タグは使われている技術がGPSとは違うため取り締まることができませんでした。
警察への依頼をためらう被害者を助ける
第三者からストーカー加害者に情報が漏れてしまうことがある
- 探偵や知人などから、ストーカー被害者の居場所などの情報が加害者に漏れてしまい、事件に発展する例があります。
働く場所や学校の協力が必要
- 最近はストーカー被害者の働いている職場や通っている学校に、ストーカー加害者が姿を現す事例もあるため、より職場や学校と警察が連携することが求められています。
意見がわかれるところ
警察がどう判断すべきか
👍 期待される効果
警察の判断によってストーカー被害者を早く助けられるようになります。
🤔 注意したほうがいいこと
警察の判断がいきすぎて、本当はそこまでしなくてもいい人にまで注意してしまうかもしれません。
被害者のさらなる保護 & 会社・学校の理解を助ける必要
👍 期待される効果
会社や学校でもストーカー被害者を守ります。
☝️ 必要なこと
会社や学校が新しい法律を理解して、被害者が安心して相談できる環境が整えられるよう国から伝えていくことが大切です。
この法案で影響を受ける可能性がある人や組織
- 探偵や調査をする人 :個人情報の扱いにもっと注意する必要があります。
- 会社や学校 :社員や生徒を守ることを意識する必要があります。
議案提出者
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