この法律のポイント
保護司を担い手を確保するしくみ
- 募集の条件を見直して、これまでよりも多くの人に関心を持ってもらえるようにします。
- 保護司になってくれる人を探すときに、自治体にも協力をお願いできるようにします。
- 活動の期間を2年から3年にのばし、経験を積みやすくします。
活動をしやすくする
- 保護司の活動拠点である更生保護サポートセンターを設けることを法律で決めます。
- 市区町村が協力するときのきまりを、保護司に「協力できる」という言葉から「協力するように努力する」に変えて、より積極的な協力を促します。
- 会社は、従業員が保護司活動のために休みを取りやすいように配慮します。
安全に活動できるように
- 保護司が対象者との面談を自宅以外でも行えるようにし、公民館なども使えるようにします。
- 保護司が所属している地域以外に他の地域のセンターや面接場所も使えるようにして、より活動しやすくします。
- 地域の更生保護をリードしている保護観察所長が、支援しているひとの仕事や住まいの状況を確かめられるように、市区町村やハローワーク、警察、病院などに情報を確認できるようにします。
保護司とは
- 保護司は、罪をおかした人が、社会に戻って自分の力で生きていけるように手伝うボランティアの国家公務員です。たとえば、出所した人の話を聞いたり、生活や仕事のことを一緒に考えたり、月に1〜3回ほど会って、困りごとや不安を相談できるようにしています。
- また、学校や地域の行事で犯罪を防ぐ活動や話し合いの会を開くこともあります。
- 地域の人たちや会社、家族と協力して、安心して暮らせる場所をつくることが保護司の大切な仕事です。
この法律が必要な理由
保護司がたりないから
- 全国で52,500人の保護司が必要ですが、今は約46,000人しかいません。
- 高齢の方が多く、若い人が少ないのが問題です。
保護司の安全を守るため
- 2024年に保護司が自宅で面談中に事件に巻きこまれるという悲しい出来事がありました。保護司の方が安全に活動できる仕組みが求められています。
地域の違いをなくすため
- 保護司への支援を積極的にしてくれる市区町村がある一方で、支援が十分でない地域もあります。
- どこでも同じように保護司が市区町村からの支援を受けられるように、自治体の協力を強めます。
意見がわかれるところ
人を増やす vs 質を保つ
👍 期待される効果
保護司を増やそうと働きかけることでより多くの人が保護司の活動に興味を持ってくれるようになり、保護司の人数が増える可能性があります。
☝️ 注意が必要なところ
これまでより募集の条件を優しくしている部分があるため、保護司の質が下がらないように注意する必要があります。
活動の期間が長くなる vs 負担が増えるように見える
👍 期待される効果
任期が長くなることで経験を積みやすくなります。
☝️ 注意が必要なところ
任期が長くなることで、負担が増えるように見えるとなりたい人が減る可能性があります。ただし、実際は任期の途中でも辞めることができます。
自治体からの支援が増える vs 自治体が大変になる
👍 期待される効果
自治体がより保護司に協力してくれるようになり、保護司の活動がしやすくなります。
🤔 心配なところ
保護司の活動に協力する努力が必要になるので自治体の負担が増える可能性があります。
Q&A
Q. なぜ保護司はボランティアなの?
A. 以下の2つの理由があります。
- ボランティア精神を大切にする
- 保護司という仕組みは、100年以上前から続く一般のボランティア活動が始まりです。今もそのときの考え方を大切にしてボランティアでやっています。
- 支援する相手との信頼関係を築きやすくする
- お金をもらわないことで、支援する相手から見たときに安心して相談できる相手だと思ってもらいやすくなって、信頼につながるという意見があります。保護司からもこの意見が出ています。
しかし一方で保護司にお金を支払ったほうがいいのではないかという話し合いは国で行われています。今後ボランティアでなくなる可能性もあります。
影響を受ける可能性がある人
- 保護司:自治体からの協力や活動できる場所が増えて、活動しやすくなります。
- 市区町村:保護司への協力に向けて努力する義務が発生します。
- 会社:従業員が保護司の活動のための休みをとりやすいように気にかける必要があります。
法案提出者
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