🎯この法律のポイント
この法案は、食について学ぶことを進めるための基本ルール(食育基本法)を、いくつかの面でまとめて見直すものです。
食料を安定して手に入れることの大切さを学ぶ
食料を安定して手に入れられる状態を保つこと(食料安全保障)を、食育で目指す目的のひとつに加えます。
日本は食料の多くを輸入に頼っています。
食べ物の値段がどのように決まるのかを、年齢に応じて理解できるようにすることもねらいとしています。
学校での食育を強める
学校で食について教える中心の役割を果たす先生として、栄養教諭を法律で定めます。
栄養教諭とは、学校で食事の指導や給食の管理を担う先生のことです。
あわせて、農業や漁業を体験して学ぶ機会を増やし、農家や漁師など学校の先生以外の人にも協力してもらえるようにします。
大人への食育を進める
これまで食育は子ども向けが中心でしたが、大人にも広げます。
大学生に食について知ってもらう活動や、会社が働く人の健康に配慮して行う食育の取組を支援します。
年齢に関係なく、自分の食生活を見直す取組を後押しします。
計画を毎年点検し、定期的に見直す
国が立てる食育の計画について、目標がどれだけ達成できたかを少なくとも毎年1回調べ、農林水産省のホームページなどで公表します。
また、おおむね5年ごとに計画を見直します。
計画が立てたままにならず、続けて確認される仕組みを作ります。
さまざまな関係者が協力して食育を進める
国や地方自治体、学校、農家や漁師、食品の事業者など、食育に関わるさまざまな立場の人が協力して取り組む仕組みを作ります。
文化やスポーツなど食以外の分野とも協力して、食育の活動を全国に広げます。
✏️この法律が必要とされる理由
食をめぐる環境が約20年で変わったから
食育の基本ルールができてから約20年がたちました。
その間に、働き方や家族のかたちが変わり、食べ物を作る人と食べる人とのつながりも薄くなりました。
こうした変化に合わせて、ルールを見直す必要が出てきました。
食料を安定して手に入れることへの関心が高まっているから
日本で食べる食料のうち国内で作っている割合(食料自給率)は、カロリーで計算すると2023年度も38%と低い水準が続いています。
世界の食料事情が不安定になり、輸入する食材や飼料の値段も上がっています。
食べる人の側からも、食料を安定して手に入れることの大切さを理解する必要が高まっています。
食品ロスや世代ごとの食生活の課題があるから
まだ食べられるのに捨てられる食品(食品ロス)は、2024年度で461万トンにのぼります。
また、20代から30代の若い世代では、朝食を食べない人の割合が高いという課題もあります。
子どもだけでなく、大人も含めた幅広い世代に食育を届ける必要があります。
👀意見が分かれるところ
食料を安定して手に入れる目標と食育を結び付けられるか
食育は、一人ひとりが学んで食生活を変えていくための取組です。
食料自給率を上げるような国全体の目標とは性格が異なるため、両者をどこまで結び付けられるかは、これからの運用しだいだという見方もあります。
計画の毎年の点検をうまく続けられるか
計画の達成状況を毎年調べて公表する仕組みについて、計画が形だけにならず確認される枠組みが整うと期待する声があります。
一方で、調べて公表する事務の負担や、目標や評価の質をどう保つかが課題になるという指摘もあります。
学校や自治体が新しい取組を進められるか
学校での農業や漁業の学び、外部の人の協力、栄養教諭の役割をはっきりさせることは、学校の食育を高める動きだと評価する見方があります。
一方で、地域の農家や漁師との協力の体制づくりや、栄養教諭の配置・負担への配慮が課題になるという指摘もあります。
よくある質問
Q. これまでの食育とどこが変わるのか
A. これまでは子ども向けの食育が中心でした。
今回の見直しで、大人への食育や、農業・漁業を体験して学ぶこと、食料を安定して手に入れることの大切さなどが加わりました。
🙋影響を受ける人
- 子ども・学校の先生:学校で栄養教諭が食育の中心になり、農業や漁業を体験する学びが広がります。
- 大学生・働く人:大学で食について知ってもらう活動や、会社が行う食育の取組への支援が広がります。
- 農家・漁師・食品の事業者:食育の協力者として、体験の場の提供や学校への参加の機会が広がります。
- 都道府県・市町村:食育の計画づくりで、国から調査や情報提供などの支援を受けられます。
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