🎯この法律のポイント
遺伝子を書きかえた受精卵から赤ちゃんを生むことを禁止
- 遺伝子をねらって書きかえるゲノム編集という技術を使った受精卵や精子・卵子を、子宮に戻すことが禁止されます。
- 破った場合は10年以下の刑務所に入る刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
今まで罰則がなかったガイドラインを法律に格上げする
- 子宮に戻すことは国のガイドラインで禁止されていましたが、罰則はありませんでした。
- この法律で罰則付きの正式なルールに変わり、研究が正しく行われるようにするための指針も法律に基づいて定められます。
研究で使う場合は国への届出が必要
- 遺伝子を書きかえた受精卵を研究で作る場合は、計画書を国に届け出る必要があります。
- 届出から60日間は研究を始められず、上記の指針に合わない場合は中止を命じられます。
研究の記録を残し、国が調べられるようにする
- 研究者は受精卵の取り扱いの記録を作り、保存しなければなりません。
- 国は必要に応じて報告を求めたり、研究施設を調べたりすることができます。
この法律は公布から1年後に始まり、5年以内に見直す
- 法律が成立してから1年後に始まります。すでに研究している人には6か月の届出猶予があります。
- 技術の進歩に合わせて、5年以内にルールを見直すことが決まっています。
✏️この法律が必要な理由
2018年に中国で遺伝子を書きかえた赤ちゃんが誕生し、法整備が急がれた
- 2018年に中国で遺伝子を書きかえた受精卵から赤ちゃんが誕生し、世界中で大きな議論になりました。
- 日本で同じことが起きても罰する法律がなく、法整備が求められていました。
世界の主要国はすでに法律で規制している
- 英国やドイツ、フランスなどは法律で禁止しています。
- 世界保健機関も禁止を求めており、日本だけ法律がない状態は課題でした。
技術の進歩で、遺伝子の書きかえが以前より簡単になっている
- CRISPR-Cas9という技術の登場で、遺伝子の書きかえが簡単・安価にできるようになりました。
- さらに新しい技術も登場しており、幅広い技術をカバーする法律が必要とされていました。
👀意見が分かれるところ
研究の自由を妨げることにならないか
- 遺伝する病気や不妊症の仕組みを調べる研究にとって、遺伝子の書きかえ技術は重要です。
- 届出や60日間の待機期間が研究を遅らせるとの指摘があります。
将来、安全な治療が可能になっても禁止し続けるのか
- 安全性が確認されても、遺伝する病気の治療に使えないことへの疑問もあります。
- 5年以内に見直す規定はありますが、技術の進歩に追いつけるかは課題です。
罰則が重すぎて研究者が慎重になりすぎないか
- 10年以下の刑務所に入る刑か1,000万円以下の罰金という重さです。
- 研究者が過度に慎重になり、関連する研究にも影響が出る可能性を指摘する意見もあります。
規制する技術の範囲は広すぎたり狭すぎたりしないか
- 対象となる技術の範囲は政令で決まります。
- 規制の範囲が広がりすぎないか、逆に新しい技術への対応が遅れないか、両面の心配があります。
国ごとにルールが違うと国際的な研究に支障が出ないか
- 各国の規制はバラバラで、厳しい国もあれば間接的な規制にとどまる国もあります。
- 国際的な研究協力のために、各国のルールとの整合性をどう取るかが課題です。
よくある質問
Q. ゲノム編集技術とは何か
A. 生物の設計図である遺伝子の特定の部分をねらって書きかえる技術です。医療や農業などで活用されています。
Q. この法律で私たちの暮らしに影響はあるのか
A. 日常生活に直接の影響はありません。ただし、将来の遺伝子を使った治療法が実用化される時期に影響する可能性はあります。
Q. 既に生まれている人への遺伝子治療も禁止されるのか
A. この法律は受精卵や精子・卵子への遺伝子の書きかえを規制するものです。既に生まれている人の体の細胞への治療は対象ではありません。
Q. 遺伝子を書きかえる研究はできなくなるのか
A. 子宮に戻すことは禁止されますが、研究目的での利用は国に届出をすれば続けられます。研究そのものを禁止する法律ではありません。
🙋影響を受ける人
- 遺伝子の書きかえ技術を研究する人や研究機関: 計画書の届出や記録の作成など、新しい手続きが求められます。
- 遺伝する病気を持つ患者やその家族: 将来の治療法の開発に影響する可能性がありますが、研究は続けられます。
- 人の体の細胞から精子・卵子を作る研究者: この技術で作った精子・卵子も規制の対象に含まれます。
- 医薬品やバイオの会社: 遺伝子技術を使った研究開発で、新たな手続きへの対応が必要になります。
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